蒸し暑い通勤電車の中、つり革につかまることを躊躇してしまう、人前でしゃべるときに必要以上に緊張して、脇がじっとりと濡れてくるのを感じるなど、脇汗は不快なだけでなく恥ずかしさも伴うものですね。

さらにまわりににおっているんじゃないかと考えたら顔から火が出そうです。

「もしかして私って多汗症?」と思ったことのあるあなたのために、多汗症についてその原因から対処法まで詳しくご紹介します。



多汗症?脇に汗が沢山出る原因

多汗症の原因はいくつかあると考えられています。

・精神的なもの
極度の緊張や不安を感じると交感神経が優位に働くことで汗腺を活発にし、大量に汗をかくことがあります。
そのため交感神経が敏感な人ほど多汗症にかかりやすいようです。

・ホルモンバランスの乱れ
ホルモン分泌も交感神経も同じ脳の視床下部という部位でコントロールされているため、ホルモンバランスが乱れると交感神経のバランスも乱れます。
それによって多汗症になってしまうのですが、特に女性は月経や更年期などのためにこの影響を受けやすいと言えます。

・遺伝によるもの
直接の原因というよりも、緊張しやすいといった性格が遺伝することにより多汗症になる可能性が考えられます。
通常思春期以降に発症する多汗症ですが、まれに乳幼児期から発症することもあるため、遺伝の可能性は否定しきれません。

・生活習慣によるもの
辛い物を食べて汗がにじむのは正常なことですが、あまりにも過剰に発汗する場合はそれもまた多汗症のひとつであると言えます。

また煙草に含まれるニコチンやコーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激するため、こういったものを摂り過ぎることも多汗症の原因になりえます。

多汗症で脇の臭いが気になる人へ

まず多汗症の人がかく汗は必ずしもにおうものではないということを最初にご説明します。

汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類があり、エクリン腺から出る汗はそのほとんどが水分であるためにおうことはありません。

一方でアポクリン腺から出る汗はたんぱく質や脂質を含み、それらが皮脂腺から出る脂肪酸と混ざり合って、それを皮膚に住む常在菌が分解することにより刺激のある独特なにおいが発生します。アポクリン腺の数は遺伝によって決定され、数が多くにおいが強い場合「ワキガ」ということになります。

ただしワキガでなくとも誰の脇の下にも多少のアポクリン腺はありますので、かいた汗を放置していればにおうことはあります。しかしワキガを伴わない多汗症の人の場合、どんなに汗をかいてもそれほど強くにおうことはないので心配し過ぎないようにしましょう。

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多汗症!脇への対策とは?

簡単にできる対策としては汗を吸収してくれる脇用パッドを使う方法や、制汗作用のある市販の薬用クリームを塗る方法などがあります。

よくある制汗用のスプレー類は、使った直後はサラサラになりますが、持続性が弱く重度の多汗症の方には向きません。
また、もっとしっかりと多汗症を改善したいという方には、病院で治療を受ける方法もあります。

治療法は塩化アルミニウムなどの外用薬の塗布、漢方薬などの服用、ボトックス注射、レーザー療法や心理療法、そして最後の手段として汗腺除去手術や交感神経遮断手術などの外科的手法もあります。



まとめ

汗の悩みというのはなかなか人に相談しづらく、一人で思い悩んでいる方も少なくないかと思います。

しかし現在は様々な対処法があり、病院での治療は保険適応となるものもありますので、悩まれている方は一度相談に行ってみるのもいいかもしれません。

多汗症は精神的な部分も多大に影響があるようですので、気にしすぎることは逆効果になる場合もあります。
適切な対処を行い、一日も早く多汗症の悩みから解放されましょう。