夏に向けてじわじわと気温が上がってくるにつれて心配になるのが子供の熱中症ですね。

もしも自分の子供が熱中症にかかってしまったら?

そんな時に慌てず対処ができるよう、熱中症について詳しくお伝えしていきたいと思います。

熱中症になった子供症状 発熱

まず熱中症にかかったときに最も出やすい症状のひとつが「発熱」です。
ではなぜ熱中症になると熱が出るのか、その原因についてご説明します。

人間の体には

1. 皮膚表面から体外へ熱を放出する
2. かいた汗が蒸発するときに熱を奪う気化熱を利用する

という二つの方法で体温が必要以上に上昇しないように抑えるという体温調節のメカニズムがあります。ところが気温が体温を上回ってしまうような猛暑の状況にさらされていると、体内から熱を放出することが非常に困難になります。

さらにそこへ湿度の高い状況がプラスされると、汗をかいても蒸発することなくただ下に流れてしまうため気化熱を利用できず、体温調節の機能がほぼ働かない状態になってしまいます。そのような状態がしばらく続くと、体の中に熱をため込むこととなり、結果的に体温がぐんぐん上昇していってしまうのです。

特に子供の体はまだこの体温調節機能が未熟なことから、大人よりも熱中症にかかりやすく重症になりやすいと言えます。熱中症で発熱しているときは、解熱剤などで無理に熱を下げるのではなく、冷たいタオルなどで体を冷やすようにしましょう。

主に脇の下や足の付け根などを冷やすようにすると効果的です。
ただしけいれんなどが起きているときはすぐに救急車を呼んでください。

熱中症の症状に頭痛や嘔吐 子供の特徴

発熱のメカニズムはご説明しましたが、ほかによくみられる症状に頭痛や嘔吐というものがあります。熱中症の際に起こる頭痛の原因は、体温調節のメカニズムによるものです。発汗や皮膚からの熱放出の他にも、脳の血管を広げて血流量を増やすことで体温を下げようとする働きがあるのですが、そのような状態になると自律神経のバランスが乱れ頭痛が起こります。

また、大量の発汗や血流量の増加から体が脱水症状に陥ることでも頭痛を引き起こし、さらには吐き気を訴えたり嘔吐してしまったりすることもあります。あまり知られていませんが、これらの症状以外に腹痛などを伴うこともあり、この腹痛も脱水症状が原因となります。

このような状態になったらまずはできるだけ涼しい場所に移動し、着ているものを緩めたて楽な姿勢にして、第1章でお伝えしたような方法で体を冷やしてください。さらに脱水症状を改善するために経口補水液などを飲ませるようにしましょう。

子供の熱中症の症状に多い寒気

熱中症で寒気というのはなんだか不思議な気がしますが、実際に起こる症状のひとつなのです。

熱中症の原因は脳の中の体温調節の機能が働かなくなることによるものだということはお分かりいただけたかと思いまが、そのような機能不全に陥ることで、本来なら「暑い」と感じるところを「寒い」と脳が勘違いしてしまうのです。したがって体温が上がっているのに寒気を訴えるというのはかなり危険な状態だと言えます。

熱中症で寒気を訴えているときの対処法ですが、たとえ寒気を訴えていたとしても、実際には体の中に熱がこもってしまっている状態なので、ほかの症状の時と同様に体を冷やすという対応をとる必要があります。冷やす箇所は脇の下や足の付け根以外に首筋なども効果的です。また、その時に足を少し高くしておくといいでしょう。

まとめ

気づかずに放っておくと命にもかかわる熱中症ですが、特に小さなお子さんは体が小さいことで地表からの反射熱にもろに影響を受けるため、大人よりも熱中症にかかるリスクが高いと言えるでしょう。

また、自分の体の状態をうまく説明できず、外で遊んでいたときは何も言わなかったのに、夜になって突然頭痛や吐き気を訴えるようなこともあります。そんなときはまさかそれが熱中症の症状だなどと思わず、対処が遅れてしまうことも考えられます。

小さいお子さんを天気のいい日に外で遊ばせる時は、水分補給と常に顔色や体温の上昇などに注意してあげることを忘れないようにして、帰宅後も様子に変化がないかまめにチェックしてあげてくださいね。