障害があってもなくても、どんな人でも人間関係で悩むことはよくあります。

会社や学校、友人関係から近所付き合いまで、誰でも人間関係で悩みながら生きているものです。その中でも特にコミュニケーション能力が低いとされるアスペルガー症候群の人は、人間関係がうまくいかない特性があるので、トラブルになることもしばしば。

そこで今回は、大人のアスペルガー症候群で、軽度な場合の接し方についてご紹介していきます。

アスペルガーの特徴 大人で軽度の場合

軽度だと本人も気が付いていないケースがあります。集団生活は苦手ではあるものの、会社や学校に普通に通えるため、周りからは「話がかみ合わない」「空気が読めない」「自己中心的」と思われ、生きづらい生活を強いられます。

例えば真面目な話をしている中で、笑いながら話しかけてしまったり、上司の顔色が変わっているのにそれに気づかず一方的に話をしてしまうなど、会社でも学校でもこういったトラブルはよく起こります。

空気が読めないことと、気が付かないことがアスペルガー症候群の大きな特徴です。

相手がこの事実を知らないと嫌われたり、いじめられる原因にもなります。こういった誤解を対処するためには、もし何か冷たくあしらわれてしまったら何が良くなかったのか聞いてみることです。そして教えてくれてありがとうと、前向きな反応を返すのが◎。

アスペルガー症候群は良い人間関係を築くのが困難なので、それゆえ二次疾患が発症してしまう人がいる一方で、独自の特異な才能を伸ばし社会に認められている人もいます。この差は周りの人間の理解の有無も大きく関わっているのではないでしょうか。

アスペルガーの大人の特徴と接し方

アスペルガー症候群の人は脳機能の障害と言われていて、バランスが偏っているのが特徴です。

相手の気持ちを読み取ったり、話を聞くのが苦手で、急な変更も苦手です。そのため学校や職場でも周りを困らせてしまうことが多々あります。

しかしこれは脳の障害なので本人が努力すれば治るものではありません。アスペルガー症候群の人と接する際に一番大切なことは、本人のマイナスな特性や苦手分野は頑張れば克服できる!と考えないこと。

外見はその他大勢の人と変わりないため、努力すればできるようになるのではないかと思いがちです。でもそれは本人にとってかなりの負担になるのです。治そうと思わないこと、これが基本です。

そして指示するときは具体的かつ簡潔にすることがポイントです。

口だけでは不十分なとき、紙に書いたり図にして分かりやすくすると伝わりやすくなります。アスペルガー症候群の人は耳からの情報より、資格的な情報が理解しやすい傾向にあるからです。そして必要なことだけをシンプルに分かりやすく伝えます。

余計な内容は省かないと、余計なことに気を取られてミスが増える要因になるからです。例えば「今日はAの仕事とBの仕事をする必要があるけど、明日はCの締め切りなのでCの仕事を先にして下さい。」という指示は明らかに混乱の元。正しくは「今日はCの仕事をして下さい。」とだけ伝えます。

また指示は一度に一つづつが原則です。

これはアスペルガー症候群の人に限らず、私達もこの方が作業がしやすいですよね。ただ「〇が終わったら△をして、それが終われば□をして下さい。」と一気に指示するのではなく、「〇をしてください。」と一度に1つだけ指示しましょう。

アスペルガーの特徴 大人の仕事

自分の興味のある分野や好きなことには永遠に集中力が続くくらいの特異な才能を発揮するのがアスペルガー症候群です。またルールに決められた緻密な作業も好みます。

特に数値や文字情報など見える情報には、迅速にそして正確に処理する能力もあります。反対にチームワークや人の感情、その場の雰囲気をくみ取るような共同作業は苦手です。

つまりアスペルガー症候群が向いている仕事は経理、財務、法務、情報処理、プログラマー、コールセンター、テクニカルサポートなどルールに基づいて動く仕事に関しては、特性を活かしやすく向いている職種と言えます。反対に営業や販売員、ホテルマンや受付など人と話したり接することが多い職種は、苦手分野かもしれません。

アスペルガー症候群の人は私達一般人が続かない作業でも、長時間集中力を維持して打ち込むことができる優れた能力があります。でもこの能力も周囲の理解とサポートがなければ発揮することはありません。

そのためにも彼らが仕事をしやすい環境を整えてあげることが、会社の仕事の能率アップにも繋がるのです。人と共感したりコミュニケーションをとったり、変化が苦手などの部分はありますが、素直で真面目で得意分野では素晴らしい才能を発揮し、独特な感性を持っているなど長所も沢山あります。

今ではフリースクールやハローワークでも様々な支援があるので、ぜひ利用してみてください。

まとめ

アスペルガー症候群の人は外見が普通なので、誤解や反感を持たれやすい短所があります。

ただ彼らには全く悪気がありません。本人は周りと上手くやっていきたいと思っていても、どう接すればいいのか分からないのです。会社や学校で周りに理解され、馴染むことができれば生きやすい幸せな人生になるでしょう。