プール熱は主に幼稚園や小学校のプールの授業で、子どもが咽頭炎や高熱症状を発症することを言います。

夏に流行する傾向がありますが、近頃では季節を問わず発症するケースもあります。プール熱のようなウイルス感染は多く、結膜炎や水いぼも感染症に分けられます。

今回はプール熱の潜伏期間、症状や治療法などをご紹介します。

プール熱の潜伏期間と症状

アデノウイルスは屋外プールなどで広く感染することが多いので、プール熱の原因のウイルスとして知られています。

アデノウイルスの型は51あって、プール熱を発症しやすいのは3型ですが、他の型でもプール熱を発症するケースが多く確認されるようになりました。また、アデノウイルス8型は目やにや目の充血を起こさせる、はやり目の原因となるウイルスでもあります。このアデノウイルスの潜伏期間は一般的に5日~7日ほどと言われています。

潜伏期間というのは、ウイルスが体内に侵入して症状を発症するまでの期間のことです。アデノウイルスは潜伏期間がやや長いことが特徴です。このため、感染はしているものの体力があって元気、まだ症状が発症していない人が二次感染の引き金となってしまうケースも多くあります。この場合は集団感染の予防も含めて、プール管理者へ報告しておくことをお勧めします。

このアデノウイルスには3つの症状があり、咽頭炎(のどの腫れや痛み)、結膜炎(目やに、目の充血)、高熱(38度~40度近い高熱)が挙げられます。

プール熱の治療方法

プール熱はアデノウイルスが原因のウイルス性疾患ですが、現在の医学ではこのウイルスに直接効果のある薬はありません。そのため、治療法に関しては自然治癒力によって回復することを一番に考えています。

治療の基本は、何よりも安静にしていることです。それぞれの主な症状について、咽頭炎の症状に関しては、抗炎症剤内服薬を服用、結膜炎の症状には点眼薬、高熱の症状には、解熱剤を投与して治療するなどの、対処療法が基本になります。

プール熱とはやり目の違いは?

実はプール熱もはやり目も、原因は同じアデノウイルスというウイルス感染によるものです。

はやり目とは、流行性角結膜炎のことで、アデノウイルスの感染によって起こる結膜炎です。感染力がとても強く、結膜炎にかかった人の目を触った手で、自分の目を触れば100%感染しますし、タオルなどを介しても感染します。

これに対し、プール熱は流行性角結膜炎と同じ、アデノウイルスが原因で起こりますが、ウイルスの型が少し違います。症状もとても似ていますが、発熱とのどの腫れを伴います。

まとめ

プール熱もはやり目もプールでの汚染が原因でかかる事が多いですが、はやり目の方が感染力が強いです。子どもの目に異変を感じたら、すぐ眼科を受診しましょう。