菖蒲湯と聞くと健康に良いとか、リラックス効果がありそうとか、いろいろなイメージがあります。今回は端午の節句に入る菖蒲湯について、その由来や効能などをご紹介します。

端午の節句に菖蒲湯を使う由来

菖蒲湯の起源はとても古く、中国から伝わりました。古来から中国では端午節に菖蒲を厄除けとして使っていました。

5月5日になると無病息災を願って、摘んできた菖蒲やよもぎを軒に吊るしたり、菖蒲酒にして飲んだり、枕の下に敷いて寝る風習がありました。日本の奈良平安時代に、この風習が伝わったと言われています。ということは1300年も前のことになります。歴史がありますね。日本でも中国同様に厄除けのために宮廷で菖蒲やよもぎを吊るしたり、臣下達が冠に菖蒲を飾ったりしたそうです。

この風習が鎌倉時代になると、庶民の間でも行われるようになり、菖蒲酒も飲まれるようになりました。菖蒲湯に入るようになったのは。江戸時代からと言われていますが、端午の節句や武士の出陣前に菖蒲湯に浸かったことが由来とも言われています。

端午の節句での菖蒲湯の効能

菖蒲湯に使うのは主に葉の部分ですが、実は葉よりも茎の部分に精油成分が多く含まれています。この精油成分の独特な香りが、厄除けや邪気を払うと信じられていました。

ちなみに漢方では、この茎部分を天日干ししたものを菖蒲根と呼び、鎮痛や血行促進の働きがありました。菖蒲湯全体では血行促進、腰痛、神経痛、冷え性、筋肉痛、リュウマチ、肩こり、リラックス効果があると言われています。

スーパーなどで菖蒲を購入するとよもぎが1本ついてきます。でも妊娠中の方はよもぎをお風呂の中には入れないよう気をつけて下さい。よもぎには陣痛作用があるので注意が必要です。

菖蒲湯の効果的な作り方は?

① 菖蒲を10本くらいに束ねる。
② 空の浴槽に①で束ねた菖蒲を入れる。
③ 42℃~43°くらいのお湯を入れる。そして入浴します。

更に精油成分を効果的に使う方法があります。

まず菖蒲の葉っぱをみじん切りにします。布などで包み洗面器に入れます。上から熱湯を注いで10分ほど浸けます。ここから抽出したエキスを浴槽に入れます。

本当は茎の部分があれば一番いいのですが、お店で売っているのは普通葉っぱの部分だけです。葉の部分だけでも有効に使いましょう。

まとめ

菖蒲には他にも活用法があって、先ほども言いましたが菖蒲酒にして飲んだり、枕に入れてリラックス効果のある菖蒲枕にして寝ます。お酒に浸けると解毒作用があり、整腸と血行促進に効果があります。