053003

2月3日は節分。節分と聞くと子どもが鬼のお面をかぶったお父さんに向かって「鬼は―外、福はー内!」と元気な掛け声と共に豆をまいたり、恵方巻きを食べたりする馴染みのある伝統行事ですよね。

ただ、いわしについて知っている人は、どれくらいいるでしょう?

実は私、地域柄か全くいわしについて知りませんでした。調べてみると、節分にいわしは食べるけどその理由についてはよく知らない…という人も多いようです。

今回は意外と知られていない節分にいわしを食べる由来について、ご紹介していきます。

節分にいわしを食べる由来とは?

なぜいわしを食べるのでしょうか?それはいわしという漢字は魚編に弱いと書きますよね。漢字を見て分かるように語源は「弱し」「卑し(いやし)」と言われています。これは、昔は弱くて卑しくそれに臭いいわしを食べることによって、邪気を消すことができると信じられていたそうです。つまり昔の人たちは臭いのあるものは体に良く、それを食べると健康になれるので魔除けにも繋がると考えていました。

節分は旧暦では今の大晦日にあたり、次の日の立春は旧暦で元旦となります。新年を迎える前の節分の日に、魔除けをして良い年を迎えられるよう、いわしを食べる習慣ができたようです。

このように悪い運を追い払うために、いわしを食べることがわかりました。そしてもう一つ理由があります。秋から冬の寒い時期に獲れるいわしは、脂がのっていてとっても美味しく、栄養も満点。カルシウムや鉄分が豊富なので、寒い冬の大切なエネルギーの源になります。節分にいわしを食べることは、健康に良いとても理にかなったことだったのですね。

節分のいわしは地域によって違う?

いわしを飾ったり食べたり、あるいはいわしは全く登場しない地域など、かなり違いあります。ちなみに私の地元は北海道ですが、節分にいわしを食べる風習はありませんでした。節分にいわしを食べる習慣は、かなり地域の差があるようで、主に西日本で行われている習慣のようです。

いわしに限定しなくても、節分に食べる食べ物は地域の特色が色濃く出ています。例えば、関東地方ではけんちん汁を食べる風習があり、四国地方ではこんにゃくを食べるという地域もあるようです。同じ行事ですが、食べ物に違いがあるのはなんだか面白いですね。

節分のいわし飾りは魔除けになるって?

節分のいわしは魔除けの意味があります。ある地域では「柊いわし」と言って、柊にいわしの頭を刺して玄関に飾る風習があります。これは柊の葉っぱの棘が、鬼の目を刺して家の中に入れないようにすることと、いわし独特の生臭さで、鬼を家に近寄らせないようにするためだそうです。

ところで「いわしの頭も信心から」ということわざがあるのをご存知ですか?この意味はつまらない物でも、信仰心を持って接すれば有り難いものになる、ということです。このことわざの由来は、柊いわしから来ているそうです。歴史がありますね。

まとめ

昔から続いている伝統行事には、実は知らなかったことが意外と多いですよね。改めてまとめると、節分のいわしは魔除けの意味と、栄養満点なので健康にとても良いことでした。意味を知ることで有り難いことだったり、自分や家族を守ってくれる意味だったり新しい発見があります。節分にいわしを食べる理由が分かったので、今までこのような風習がなかったお家でも、今年は節分にいわしを食べたり飾ったりしても良いかもしれません。

お子さんがいる家庭なら、子どもにどうしていわしを食べるのか、分かりやすくお話ししてあげても良いですよね。今年の節分は家族でいわし料理を食べて、楽しく鬼を追い払いましょう。