お盆はもちろん、新盆も大切な家族行事の一つ。

新盆を迎える親戚や知り合いの家に、挨拶へ行くこともあります。

今回は新盆の意味や訪問する際のマナーなど、気を付けておきたいポイントをご紹介します。

新盆とは?意味と盆提灯について

新盆とは故人が亡くなって四十九日の後、つまり忌明け後に初めて迎えるお盆のことを言います。新盆を迎えたお宅へ親戚や、故人と親しかった人たちが盆提灯を贈るという古い習わしがあります。

贈られた盆提灯は多ければ多いほど、故人が周りの人たちから慕われていた、と示すものです。贈る側も故人に対する感謝の気持ちを込めて贈ります。お盆の準備として頂いた盆提灯は、精霊棚や仏壇の前に飾ります。

盆提灯は新盆の家で初めて帰ってくる故人の霊が、迷わないための目印として、玄関や部屋の窓際、仏壇の前に吊るします。

新盆用の白提灯はローソクの火を灯せるようになっていますが、危険なので火は入れずにただお飾りして、迎え火とする場合も多いです。最近は安全のために、盆提灯用のローソク電池灯も市販されています。

昔は新盆用の白提灯は故人の家族が購入し、普通の絵柄の入った盆提灯は兄弟や親戚から贈られていました。しかし最近では、盆提灯を飾るスペースなど住宅事情を考えて、兄弟や親せきからは盆提灯用に現金で頂き、故人の家族が全て用意することが多くなっています。

新盆用の白提灯を飾るのは新盆のときだけで、お盆が終わったら燃やして処分します。

処分の方法は、送り火で燃やしたり、自宅の庭でお炊き上げしたり、菩提寺に持って行って処分してもらいました。ただ最近は、火袋に少しだけ火を入れて燃やし、形だけお焚き上げをして、鎮火してから新聞紙などに包んでから、燃えるゴミとして処分する場合が多くなっています。

普通の絵柄が入った盆提灯は毎年飾るものなので、お盆が終わったら火袋をよくはたいて、部品をきれいに拭いてから、箱に入れて保管します。ただ、たくさん頂いた盆提灯を毎年飾るのは大変なので、2~3年後くらいから少しずつ飾る提灯の数を減らしていっても大丈夫です。

新盆での訪問マナーと香典の渡し方は?

新盆の家を訪れる場合の服装は、喪服を着ることが多いです。

黒や紺色、グレーなどのダークな色やシンプルな服装で、スーツやワンピースが一般的です。昔は盆提灯やお線香、ローソクを持参していましたが、最近では現金を包んで渡すことが増えてきました。新盆の法要に行く際に、お提灯代か香典を持参します。新盆の香典は故人との関係性や地域によって金額が異なるので、以下にご紹介するのは一例として参考にしてください。

①新盆の香典の金額の相場
だいたい3000円、5000円、10,000円が一般的です。地域によっては、自分の家の新盆のときに頂いた額を渡す場合もあります。食事がある場合は、食事代も考慮して包みましょう。

②新盆の香典の表書き
宗派に関係なく用いられるのは「御供物量」で、仏式では「御仏前」、神式では「御玉串料」「御神前」と書きます。水引は双銀、黒白、藍銀、関西では黄銀、黄白を用いるのが一般的です。

のし袋に入れるお札の向きは諸説ありますが、2枚以上入れる時はお札の向きが同じになるように揃えて入れます。新札は不祝儀には向かないという考え方が根強いので、もし新札しかない場合などは、お札を二つに折って折り目を付けてから袋に入れます。またあまりにも汚れたお札や、ヨレヨレのお札は失礼に当たるので使いません。お札の枚数は4枚、9枚は死や苦を連想させるので入れません。

香典のお札の入れ方にはいろいろな考え方がありますので、大事なことは故人を敬う気持ちを表して、相手に不快な思いをさせなければ良いです。そして香典の渡し方ですが、特に置く場所が設けられていない場合は、お線香立ての横の隙間辺りに置きましょう。お線香やローソクの火がかからない場所です。

新盆の法要時に着ていく子供の服装は?

子どもに制服がある場合は制服を着用。制服がない場合、男の子はブレザーとズボン、白いシャツ。黒、紺、グレーなどの暗い色を着用します。女の子はブレザーとスカート、ワンピースもOKです。白いブラウス、黒、紺、グレーなどの色を着用します。

靴は基本堆的に黒ですが、なければ学生らしい白や、紺で、黒のスニーカーはOK。子どもとは言え、あまりカジュアルで派手な色彩の服装は避けましょう。夏は、暑い日でもあまり露出の多い服装は避けます。裸足は不可なのでソックスを履かせましょう。靴もサンダルやミュールは避けます。

冬は、コートを着用していった場合は、会場に入る前に脱ぐのがマナーです。自宅で法事法要が行われる場合は、玄関に入る前に脱ぎます。

まとめ

新盆は故人の霊が初めて家に戻ってくる日です。

親戚や友人知人を大勢招いて、特に丁寧にお迎えしたいものですね。